奈良先端科学技術大学院大学 / NAIST 入試対策~合格(&入学)までの 記録

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0. はじめに
ここでは、自分のNAIST受験対策~合格(&入学)までの記録を残しておきたいと思います。
  
自分の場合は、文系出身・院卒・社会人 というかなり異色(?)のバックグラウンドの中での受験だったため、あまり参考にはならないかもしれませんが、これからNAIST受験を考えていたり、すでに対策を始めている皆様にとって、少しでも役立てば幸いです。

ちなみに、  
希望研究科・研究室:情報科学研究科 自然言語処理学研究室
入試日程:2010年第1回
でしたので、その辺りは勘案して参照していただければと思います。


1. NAIST 数学対策

文系出身なので、基本的な方針として「数学で足を引っ張らないようにすること」を目標にしました。具体的には「過去問レベルの問題は解けるようにしておく。それでダメならしょうがない」という感じです。
過去問集は、こちらを参照させていただきました。(shirayuさんありがとうございます!!)

以下、各分野の自分の対策方法をまとめておきます。

1-1. 線形代数
線形代数?行列って何?状態だったので、独学者向けで分かりやすさに定評があると言われていた以下の本を購入して、上の方針に従って勉強していました。
  
入試の半年前くらいから対策を始めて2周くらい反復し、過去問レベルの問題はできるようになりました。

また個人的には、対角化のイメージが良くわからなかったので


を読んだところ、固有値やら固有ベクトルを視覚的にイメージできるようになったので、助かりました。
(わけもわからず、公式と解き方だけ覚えるのは嫌だったので…。)


1-2. 解析
入試の3ヵ月前くらいに、どこかのブログでNAISTの数学対策に関する記事を読んでいたところ、「線形代数+確率だけで挑んだら、どちらかが難しかったときに1問捨てることになってしまうが、解析が意外と簡単なケースもある。」という感じのアドバイスがあったので、解析の対策も始めました。

解析については、微分も積分も数Ⅱレベルだったので、とりあえず以下の数Ⅲの参考書を買ってみました。初学者・独学者向けでちょうど良い本でした。
 
微分も積分も公式のオンパレードで、さらに三角関数についても忘却の彼方にいたので、ひたすら公式の暗記に時間が費やされることとなりました。
暗記というのは筋トレなどと一緒で、「毎日コツコツ続けることが大事」なので、寝る前とか、電車の待ち時間とかに、ちょこちょこチェックしていました。もちろん、問題は手を動かして練習しました。

上の本も2周ほどやったのですが、過去問にはまだ解けない(というかそもそも意味が分からない)問題がいくつか残っていました。
困ったことに、解き方はおろか、なんという分野のどの本を調べれば解き方がわかるのかすらわかりませんでした。(その問題が微分方程式と呼ばれる分野の問題であることが判明したのは、1週間近くあとのことでしたw)
分野がわかれば、同様に教科書を買って回答の流れを覚えるというプロセスに入れてしまえばいいだけなので、1冊だけ下記の参考書を買って、類似問題のみ反復練習をしました。


※正直なところ微分方程式に関しては、解き方そのものを暗記したものの、式が意味するところとか、公式の導出?などの理解はできていませんでした。はい、ゴマカシというやつです。すみません。独学の限界というやつです。

ということで、3ヵ月という短い対策期間ではありましたが、解析についても、過去問と同等レベルの問題であれば解けるかな、という状態までになりました。

1-3. 確率・統計
確率・統計については、そこそこ余裕があったので入試の3か月前くらいから


を1周しました。 
また統計も出る可能性あるということで、


も、ちょこっとやりました。
数学対策全体を振り返ってみると、文系の人はやみくもに勉強するより、戦略的に対策する必要があるかなと思います。分野も限られていますし、問題の傾向もある程度読めます。
最終的に、足を引っ張らないレベルになれば十分だと思います。
(その分、英語、小論文、面接で稼ぐ必要はありますが…)



2. NAIST 英語対策

英語はもともとTOEICを出す予定だったので、何もしませんでした。(925点あったので。)
(反対に数学は底辺からのスタートだったので、TOEICを使えるというのは助かりました。)
とはいえ、英語で悩んでいる人もいると思いますので、アドバイスとしては「英語は単語以外は暗記が効きにくいので、直前の追い込みは難しい」ということを覚えておいた方がいいと思います。

1年くらいあれば、100~200点くらいは十分上がると思います。

追記
おススメのTOEIC学習本を紹介します。これで(NAIST入学後に) 925 -> 955 まであがりましたw。




3. NAIST オープンキャンパス
対策とは呼べないかもしれませんが、希望研究室の学生さんや先生にはあっておいた方がいいと思います。

実際に会って、質問したりされたりすると思いますが、面接での質問とも共通するところがあります。私の場合は希望研究室が決まっていたので、研究室のメンバーや先生に色々お話を伺うことができました。小論文のドラフトなどがある方は、持って行って添削してもらうと良いかもしれません。私は小論文の骨組みしかなかったのですが、たくさんのアドバイスをいただくことができました。

また自分のように遠距離から訪問する人にとっては、入試前の下見にもなります。
(私は東京からの訪問でした。)

オープンキャンパスは、直接合否には関係しないとは思いますが、行っておいて損はないと思います。(特に小論文、面接対策につながるのでは?と思います。)



4. NAIST 小論文対策

小論文は、取り組みたいテーマ、志望動機についてA4二枚で作成するというものでした。

テーマについては、研究室の先生とのメールだったり、オープンキャンパスでお話するなかで、ある程度絞り込むことができました。小論文は願書の出願時にて提出するので、オープンキャンパスでテーマを最終的に絞り込んだあと、5日くらいで一気に書き上げました。

とはいえ、5日あれば(納得のいくものが)作成できるというわけではなく、志望動機や研究したいテーマを書くには、ある程度自己分析が必要ですし、研究したいテーマに関しては、前提知識や、現在の研究動向、問題点などを把握しておく必要があります。そういう点を踏まえると、半年くらい前から、テーマだったり自己分析を少しずつ始めておいた方がいいかなと思います。

また実際の作成にあたって、取り組みたいテーマと志望動機を一つの小論文にまとめるときに、どのような構成にするかが、少々てこずりました。
自分の場合は、小論文を前後半(実際分量的には2/3, 1/3)に分けて、前半にテーマについて、後半に動機や意気込みをまとめました。
研究室で助教をされている小町さんに添削をお願いしたところ「これまで見た学生の小論文の中で一番書けていると思います。(原文ママ)」というコメントをいただき、大いに自信が持てました。
※テーマの細かいツッコミどころに関しては、おそらく色々と目をつぶっていただいたところがあるかもしれませんがw

合格したら小論文を公開してください、という小町さんとの約束がありましたので、恥ずかしながらこちらで公開しています。

注意していただきたいのは、自分が人文系出身で理系(情報系)のバックグラウンドがほとんどなかったという点です。もし理系(情報系)出身の方は、ご自身のこれまでの研究テーマがNAISTで行いたいテーマとどのように関係するか、(しない場合はなぜテーマを変えるのか)についても十分説明したほうが良いと思います。
いずれにせよこれを見本とするというよりは、たたき台にしてもっと良い小論文を作っていただければと思います。

※そのまま用いると、(同じようにそのまま用いた)他の受験生との差別化ができなくなる恐れもあります。(そもそも、そのまま用いてもらうために載せているのではないという点をご理解いただければと思います。)

小論文作成の本としては次のものをオススメします。

 



5. NAIST 出願
「0.はじめに」でも述べましたが、私はバックグラウンドが他の受験生とかなり違っていたので、出願の際は色々と苦労しました。

①すでに院卒(他分野)である。
出願書類で、出願資格の欄に出身学部の情報を書く必要があるのですが、大学院の情報はどこに書くのやら?と思い問い合わせたところ、下の学歴欄の箇所に記入してください、とのことでした。

②すでに社会人である。
職歴を記入する欄があるので、そこへ記入すれば基本的にはOKかと思われます。
ところが、電話で確認したところ、「会社からの派遣か否かにかかわらず、出願承認書、あるいは理由書があることが望ましい」とのことでした。
※この情報は要項には載っていません。
この情報を出願の前日くらいに知った私はあわてて理由書を準備することとなりました。
理由書には、
・入学する場合は、自己都合退職すること
・退職によって、現在勤務中の会社、NAISTの業務・運営に影響を与えることはない
・派遣ではないので、承認書の代わりとして理由書を提出している
みたいな内容で書けばよいと思います。
※フォーマットは自由といわれましたが、いわるゆビジネスレターのお作法にのっとって書くのが良いのではないかと思います。

とまぁ、直前で色々ゴタゴタしたのですが、何とか出願することができました。



6. NAIST 面接対策

説明会やオープンキャンパスでの情報によると、配点が英語や数学よりも高いということなので、出願後本格的に準備を開始しました。
対策方法としては、
1. 過去の面接の質問例を自分用にカスタマイズし、
2. その回答を用意する
というものでした。

まぁ対策は至ってシンプルですが、実際の面接の場面で自分が回答しているイメージをしながら準備すると良いと思います。

具体的には以下のような質問を想定し、自分なりの回答を用意しておきました。

  • 希望研究室+研究領域 は?
  • 専願ですが、落ちた場合はどうするか考えてるか?
  • 説明会には参加したか?
  • 提出した小論文について、2分/3分で説明してください。
  • 小論文に関しての質問(使用した専門用語など)
  • 学部時代、どのような授業をとったのか。
  • 卒論の内容
  • 修士時代(他分野)は、どのような授業をとったのか。
  • 修論(他分野)の内容
  • 現在の業務内容
  • プログラミング言語について(java)
  • javaの特徴、オブジェクト指向などについて
  • なぜNAISTを受験しようと思ったのか。
  • 卒業後はどうするのか?
  • データ構造、アルゴリズムに関して(他分野出身ではあったけど、応用情報技術者の資格を持っていたので、念のため対策)
  • 将来の夢
  • 研究分野での有名な学会、論文誌は?

これ以外で答えられない質問が出たら「わかりません」と答えようと思っていました。



7. NAIST 出願後~入試前日

受験票が届いたので日程を確認したところ、(土>金>木>水の順で希望を出していたのですが)木曜日ということで、第3希望の日程となっていました。仕事が心配だったのですが、運良く前泊含め2日間の有給が取れたので、さっそく宿泊予約を行いました。

宿泊は「ゲストハウスせんたん」にしました。メールですぐに予約ができました。(予約は早めの方が良いと思います。)
本当は深夜に着けばいいやと思っていたのですが、チェックインが17:30までということで、チェックインに間に合うように行きました。
入試前日は東京からの移動のため、午後半休を取得し奈良へ移動しました。
(※改めて振り返ると、仕事の繁忙期に重ならなかったのは運が良かったと思います…)

試験当日の朝食をどうしようか悩んでいたので、高の原駅に到着した後バスを待つ間に、イオン(SATYだったかな?)でパンやらお菓子を買いました。
その後バスに乗ってNAISTに到着し、事務所でチェックインを行い、部屋で少し休んだりしました。夕食は食堂ですませました。(緊張でちょっとしか食べませんでしたが…)

その後少し時間があったので、数学やら面接の対策をしていました。PCを持っていっていたので、2chで1日目を終えた方が書いている試験の感想を見たりもしました。
数学の問題を書いてくれた人(いいのかな…?)がいたのですが、行列の微分が出たらしく、かなり焦りました。が、いくらなんでも直前の数時間で行列の微分をゼロから勉強する気にもなれず、参考書などもなかったので、「出たらあきらめよう。今までやってきたことが出し切れればいいや」と思っていました。
(後述しますが、試験当日は行列の微分が出ました…)

その後、移動の疲れもあったので、12時過ぎに就寝。朝6時半過ぎくらいに目覚ましをセットしました。(ゲストハウスのベッドにもアラームがついていたのですが、使い勝手がわからなかったので使いませんでした。)



8. NAIST 入試当日

緊張のせいか、カーテンを開けて寝ていたせいか、目覚ましがなる前に起きてしまいました。その後シャワーを浴びて、部屋で朝食を食べながら数学やら面接の対策をしていました。特に小論文の内容をしっかり説明できるように、何度も練習しました。

朝一の回だったので、受付開始の9時頃に移動しました。
受験生用のリボンをつけて大部屋に入ると、今日の流れがホワイトボードに張ってあったので、自分の面接の順番などを確認しました。

その後、9:20くらいから説明が始まり、順番に面接に呼ばれていきました。自分は5番目くらいだったのですが欠席者がいたらしく、ひとつ繰上げとなりました。

受験番号が呼ばれると、教室前方で簡単なアンケート入力があり、その後問題閲覧室へ移動します。

問題閲覧室につくと、問題が配布されます。
数学がネックだった自分にとっては、まさに緊張の瞬間でした。

配られた問題を見た瞬間、
「行列の微分ってやつが出てる(汗)。これは捨てて残りの2問か。」

となり、(幸か不幸か)迷いなく2問の回答方針を準備しました。
残りの2問は思いのほかストレートな問題だったので、たぶん大丈夫かなと思いつつ、問題って面接室で見られないんだっけと勘違いし、ひたすら問題の数値などを覚えていました。(実際は面接部屋にも同じ問題のカードがおいてあります。)

その後、ステージ1の面接室へ移動しました。
前の人が時間がかかっていたようなので、他の人より少し遅れて入りました。
予定通り、行列以外の2つの問題を説明し、「以上です」と言ったら、早く終わりすぎていたようで、面接官の先生に「1番(行列の問題)はどう?」と言われ焦ってしまい、思わず、「見たことがない問題なので解き方がわかりません」、と言ってしまいました。確かにその通りなのですが、もうちょっとうまい言い方があったように思います…。
すると「わかりました。こちらでの試験は以上です。ありがとうございました。」と言われたので、退出しました。
早く終わりすぎたため、「選択した2つは合ってたのかな?」と不安になりました。とはいえ、いまさらどうしようもないので、ステージ2の心の準備をしました。

ステージ2の面接では、
NAISTを志望した動機や、取り組みたいことなどお話してください
経歴が色々とおありなので、その辺についてお話してください
経済的には大丈夫ですか?
卒業後はどうする予定ですか?
ステージ1はどうでしたか?
プログラミング経験は?
まだ時間があるので、何かアピールしたいことはありますか?
逆に何か聞きたいことはありますか?

というような内容でした。
もっと突っ込んだ質問があるかと思っていたけど、そこまでではなかったので、やや拍子抜けだった感じでした。

全般的に和やかに面接は終了。
係の人から「今日は以上です」と言われ、自分のNAIST受験は幕を閉じました。

※今回の入試では、特待生の「と」の字も見かけなかったので、今年はないのかな~などと思っていました。(オープンキャンパス時に学生さんからそれらしい情報を聞いていたので…)

※後日談:数学については、線形代数でわからない問題が出たものの、その他2つの問題が比較的易しめ(?)だったので、本当に運が良かったと思います。そういう運を掴むためにも、線形代数、解析、確率・統計の全ての分野に対して、しっかり対策しておいた方が好いと思います。



9 NAIST 入試後~合格発表まで

合格発表までの日々は色々と気になるもので、2chなどを見ていました。「面接で研究内容について突っ込まれていないのは、あまり期待されていないからだ」なる情報が流れ、ちょっと不安になったりもしましたが、今さら心配しても意味がないと思い、普段通り仕事してました。

合格発表当日は朝から仕事でミーティングが立て込んでいたので、実際に発表を見たのはお昼過ぎでした。結果、自分の番号があるのを見たときは、ようやくほっとしました。そして色々支えてくれた家族や両親へとりあえず連絡しました。

これにて、自分の半年に渡るNAIST受験は終わりました。
色々と不安だらけのスタートだったのですが、結果的としては寮や奨学金の予約採用付合格という、目標通りの結果が出てとても良かったと思っています。
(特待生も狙っていたのですが、2010年第1回は残念ながら0名でした…)

長かったようで短かったような、とにかく全力で走り抜けた半年間だったと思います。今は入学後ついていけるのか心配になっていますが、苦手な数学やプログラミングなど、しっかり準備しておきたいと思います。

ここまで読んでくださった方へ、
長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。
この体験記が少しでもお役に立てれば幸いです。
ありがとうございました。
(引き続き、入学までの流れについてもアップしていきたいと思います。)

10. 書類の提出

合格発表後に送られてくる合格通知書の中に、

  • 入学意思確認書
  • 学生宿舎優先入居申請書
  • 日本学生支援機構大学院奨学生予約採用希望調書

が入っており、それぞれ8月中旬~末の締め切りとなっていたので、提出準備を進めました。
第一種奨学金に関しては、昨年の収入が374万円(問い合わせたところ+30%までらしい)未満であることが申請の条件になっており、社会人出身(でそこそこ収入があった)の自分は微妙な感じです。
(昨年の収入があればそこから崩してください、ということでしょうか?)

ということで4月から収入がゼロになる可能性もあるので、金銭的な工面を何とかしないといけません…。

自分のように社会人出身で会社派遣じゃない場合は、推薦があっても日本学生支援機構の奨学金申請が通らない可能性があるので、注意が必要です。

11.書類提出 その2

2月上旬に、「入学手続案内」という書類一式が到着しました。
合格時の条件(寮推薦の有無や卒業証明の有無など)で、提出すべき書類が異なるため、あまり参考にはならないかもしれませんが、必要な書類としては、

  • 受験票
  • 顔写真2枚
  • 卒業証明書
  • 納付金確認書
  • 傷害保険申込書・保険料(郵便為替)
  • 振替振込受付証明書
  • 口座振替依頼書

などがあります。
特に受験票は、人によっては入試から日が経っているので紛失などの恐れがあります。
受験票は、受験が終わって合格が決まった後も、大事に保管しましょう。

ちなみに書類提出期限は3月頭。提出までの期間は1ヶ月程度になります。


12. 入学許可証

書類の提出が無事に終わると、3月中旬ごろ入学許可証が送られてきます。
入学式前日にあるオリエンテーションのスケジュールなども、併せて伝えられます。

引越しの日程など、注意するようにしましょう。